忍者ブログ

京都京町家改修京町屋古民家再生木造建築伝統工法社寺仏閣和室造作 修理修繕補修 木造建築用語集 byアラキ工務店

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

廣誠院とは?(こうせいいん)



廣誠院とは,木屋町二条南西角にある 臨済宗のお寺。
旧広瀬家別邸ともいう。京都市指定有形文化財。
廣誠院庭園は、京都市指定名勝。

木造2階建て入母屋桟瓦葺一部銅板一文字葺。



明治のころ、このあたりは、長州藩の藩邸であり、
その後 伊集院兼常の邸宅となったところである。
東側に高瀬川がありその水を、庭に取り入れ、茶室の下を川が流れている。
表門(平唐門)は、北面にあり それをくぐると、素朴な石畳を通り、
三枚の玄関の建具が、お出迎えしてくれる。
広く開くので、見学などの催しのときには、とても、気持ちがよい。

玄関の床は、敷き瓦が敷かれ、沓脱石はなく、素朴な北山丸太の上がり框に、小丸太を敷き並べている。

左手に、仏堂があり、廊下を隔てて、次の間10帖 主屋13帖の書院が、南側にある。
次の間と主屋の間には、森狙仙のサルとイノシシの絵のかかれた襖が、はめてあった。

書院の主室の床柱 は、立派な天然北山磨き丸太・床框は、赤い春慶塗の床框で、
床の南は、平書院がある 繊細な模様の格子がはめてありその下に
火灯窓があり、わざと障子側を外側にして取り付けてある。
床の右は、少し曲がった竹の珍潜りが付けられている。
落しがきは、少し個性のある赤杉の傍柾(追柾)。

床間は、出床で、少し下がって、床脇 は、地袋と通棚が、つけられている。
右手の壁にも、次の間へ、光が漏れるように、下地窓 が、つけられている。

この書院の軒は、長く、深い また、南東端に1本 川(池)の石の上に丸太で、
支えられているだけにみえて、軽やかである。この深い軒は、南から東にまわっている。
軒は、杉皮仕上げで、午前中10時から11時ごろ なら、天気がよければ、池が、光を反射してくれる。


縁の欄干も、意匠が、素晴らしく、伊集院兼常が、
当初庭園を作庭したとされる對龍山荘(たいりゅうさんそう)の手摺によく似ている。
書院の南側の濡縁は、栗の名栗の濡れ縁で、框はなく小口が見えている
その沓脱石は、賀茂川の真黒石はかなり大きく立派で、つやがある。
東側の縁は、榑板の間に竹を挟んだ榑縁

廊下に戻り、廊下を東に行くと、そのすぐ南に3帖中板付の茶室がある。
中板が、切ってある。その板に台目切りは、とても珍しいが、使い勝手は、よさそうだ。
茶室 は、天井が思ったより低く6尺から6尺半ぐらいしかなく。落ち天井になっている。
南半間ぐらいは、屋根勾配の化粧屋根天井。
点前座 に座ると東側手前に釘箱棚があり 中柱下地窓
その向うに、躙口がある。
南側に丸窓があり西側に床がある。床の右の柱は、
赤松の皮付きで、床には、墨蹟窓が開けられている。
茶室の南西の隅は、壁がRになっていて、廻りは、竹が、曲がっている。
外部から見ても、壁はアールになっているのは、面白い。

廊下に戻り廊下の照明器具もデザインが、よい。
その東の突き当りには、下方に明り取りのまども入りその奥が、10畳の広間がある
ここから、あるいは、茶室の円窓からの庭の眺め・軒の眺めは、絶景で、
對龍山荘(たいりゅうさんそう)のそれを思わせるつくりとなっている。

邸宅の東側の高瀬川は、明治の頃は
電車もなく船が、大阪からの交通の便となっていた。
その川を利用し庭に引き入れているのがとても貴重で、
その当時の風情面影、が、忍ばれる




廣誠院の近隣の西には長州藩の藩邸を示す桂小五郎像や、東側に料理旅館幾松(有形文化財)。
廣誠院の南東には、廣誠院側に象山先生遭難之碑(佐久間象山)、
隣家側に 大村益次郎御遭難之碑の遭難の石碑がある。

コンパクトな中に紹介しきれないほど、いろいろな意匠のほどこされた見ごたえのある貴重な建造物である。


kouseiinnコウセイイイン
旧広瀬家別邸ひろせけべっていヒロセケベッテイ ■京都 京町家改修用語集 用語、専門語の解説、説明
(古民家 京町家再生 木造建築伝統工法 社寺仏閣 和室造作 修理修繕補修改修 一般木造用語集)

 (杉板君 杉板クン すぎいたくん スギイタクン)
PR
  43    44    45    46    47    48    49    50    51    52  

ランキング

少しお役にたちましたら、
クリックしていただけると
幸いです。
↓↓↓
にほんブログ村 住まいブログ 住まいの豆知識へ

その他

文章・画像・写真等の著作権は
管理者 に帰属します。
無断でデータをダウンロードして、商用に利用することは禁止します
また、改造、転写・複写、再配布も、しないでください。
その他

管理者用 リンク

忍者ブログ

[PR]

TemplateDesign by KARMA